続き続ける物語

     
「エルサちゃんの誕生日が近いってこと、覚えてるかい? セブルス」

「覚えている……セレナに聞いてこいとでも言われたのか」

チェコ・プラハの魔法街にて、セブルス・スネイプは薬の調合をしていたのだが、今日は客人が来ていた。
スネイプの長年の知人であり、友人とも取れる、フレイ・アシュフォードだ。

「オレが個人的に聞きたかったってか、そう言うこと鈍いじゃないか」

「鈍くはない」

「セレナちゃんは? 元気?」

「お前の方が情報は聞けるだろう。イギリスにいるのだから……こっちには律儀に一週間に一度は手紙をくれるが」

フレイはアンティークの椅子に座り、丸テーブルに肘を付いていた。茶などは出していないがフレイは構わないようだ。
セレナ・ヴァルキリアはスネイプが後見人……もしくは育ての親をしていた魔女であり、今はホグワーツ魔法魔術学校で
魔法薬の教師をしている。ホラス・スラグホーンの後を継いだ。スラグホーンの後を継いだということは、
スネイプの後を継いだということでもある。教師としての評判は上々であるようだ。

「魔法省の仕事が忙しいんだ。後継がそろそろ良い感じに育ってきたから引退はしたいね」

「イギリスは平和なようだな」

「例のあの人が死んでからはね」

例のあの人……闇の帝王であるヴォルデモートが死んでから、十年以上の月日が流れていた。記憶はまだ風化していないが、
いずれ忘れ去られそうではあった。スネイプが魔法薬の仕上げをしていると、ドアがノックされる。

「失礼します。セブルス様、マスター、魔法薬の注文のリストとそれから本などを持ってきましたわ」

丁寧な言葉で答えたのは、スネイプが始めて見たときと全く姿が変わっていない少女だった。
ライオネットゴールドのウェーブがかかった髪にラヴェンナ−ブルーの瞳、エプロンワンピースを着た少女、
マグルの作家、ルイス・キャロルが書いた本、『不思議の国のアリス』のアリス・リデルを模した人形、アリエルだ。
アリエルはチェコの魔法技術の結晶だ。

「あの二人は」

「用事が出来たとかで、別れましたわ……エルサ様の誕生日プレゼントを選びにいったのでは?」

あの二人とはスネイプの助手のような、先輩のような、二人だ。アリエルと共に出ていったことは知っていたが、
行き先などは聞いていない。

「血縁にはなるからね」

「エルサもホグワーツに入学してグリフィンドールに入った……性格のせいか?」

「明るい方ですからね。エルサ様は……アルバス様と仲がいいとオルティア様が言っておりました。オルティア様は
ジェームズ様と喧嘩ばかりしているようですが」

アルバスとジェームズの名を聞いてスネイプは複雑な気持ちになっていく。アルバスもジェームズも今はもうこの世に居ない
二人の名だ。感情を読み取ったのかフレイが笑う。

「あのハリー・ポッターも律儀なものだ。自分の子供達に自分の親や世話になった者達の名前をつけるんだから」

ハリー・ポッターと言えばイギリスの魔法界では知らない者が居ない者の名だ。
スネイプの教え子でもあり、ヴォルデモートを倒す運命にあった者であり、見事にその運命を果たした者の名だ。
現在は闇払いの局長をしていて、ジニー・ウィーズリーと結婚し、子供が三人いる。
セレナから写真を見せて貰ったことがあった。ジェームズのフルネームはジェームズ・シリウス・ポッターと言い、
スネイプにしてみれば怨みしかない名前ではあった。

「オルティアはシーカーをしていたな」

「お祖母ちゃん並みの良い選手だよ」

オルティア・ヴァルキリアはセレナの娘の一人だ。真面目で融通が利かないところがあるが、引かないところは引かない。
フレイが言うお祖母ちゃんとはカタリナ・ヴァルキリアのことだ。セレナの母親であり、スネイプの同級生でもある。
魔法界で流行しているスポーツであるクィディッチの花形ポジションでもあるシーカーをオルティアはしていた。
彼女の寮はレイブンクローである。

「……時間が経つのは早いな」

「そうだね。オレもお前も、随分年を取った」

「我輩は歳を取れるとは想わなかったがな」

スネイプの呟きをフレイとアリエルは聞く。そうスネイプが呟くのも無理はない。セブルス・スネイプは本来ならば、
死んだ人間のはずだからだ。千九百九十八年の、五月、ヴォルデモートが魔法界を支配しようとしていた時にだ。



チェコの魔法界は、閉鎖的な魔法界の中でも更に閉鎖的なところである。
そもそもな話、魔法界というのは魔法使いや魔女をマグル……魔法を使えない人間達から隠している。
マグルからしてみれば魔法や魔術などは小説や童話の題材にはなるが実際にあるとは信じていないものだからだ。
外側からの干渉を魔法界は出来る限りは受け付けない。マグルの世界とは距離を取り自分達を維持している。
そうしなければ、魔法使いや魔女は絶滅に追いやられるからだ。

「時代がいくら過ぎ去っても、魔法使いや魔女よりもマグルの方が多いのよね」

ラッピングされた紙包みを持ち、呟いたのは黒いローブを着た少女だ。アトラメントブラックの髪をセミロングにして、
サニーオレンジの瞳をしている。魔法街はイギリスのダイアゴン横町を大きくしたような所だ。

「圧倒的にね。そして魔法界はお互いに干渉し合いたがらない」

「国で問題が起きたらどうにか国で解決してくれってのは……お陰で苦労したみたいね。ダンブルドア先生」

同意したのは右手に紙袋を持ち、左手にはラッピングされた紙包みを持った背の高い少年だった。
髪は黒髪のショートカットで瞳が赤い。隣を歩いている少女が太陽ならば、少年は闇だ。
魔法界は各国にあるが各国の魔法界に仮に何らかの問題が起きた場合は出来る限り、その魔法界が解決しなければならない。
多少なりとも交流しているところはしているが、切れているところは完全に切れている。

「プラハの魔法使いや魔女は互いにそんなに干渉をしあわないし、相手を受け入れるには時間がかかるが、受け入れさえすれば、
互いを守って、存在するし、外敵にも容赦はない。他の魔法界で問題を起こしたら隠れ場所には都合がいいんだ」

チェコの魔法界と言うと大抵はプラハの魔法街を差す。
閉鎖的なところであり、魔法界の研究機関のような場所だ。隠れるには都合がいいが、隠れるまでには手間がかかる。
その手間を何とかできたのはプラハの魔法使いの血を引く者が居たからだが。

「セレナはイギリスに住んでるし、私達は別れちゃってるけど会いには来てくれるよね」

「……イギリスはヴァルキリア家の本拠地だろう……君は一族の誇りはないのか」

「無いってか……純血主義掲げても家、細かく言うと根本から外れちゃうし」

少女の言い方がヴァルキリア家がプラハに来てもいいと言うような言い方だったので少年が問うとやけにあっさりとした解答が
帰ってきた。純血主義というのはマグルから出た魔法使いやマグルの血を引かない、純粋な魔法使いを尊ぶ主義である。
ヴァルキリア家はイギリスの魔法界でも純血を保っているようではあったが、途切れた時期があったし、家の先祖は北欧から来たのだ。
イギリスの魔法使いや魔女の家系というわけではない。

「プラハはいいところだ。僕や君のような存在も受け入れている」

「だねぇ。記憶なのに」

二人がすれ違ったのは人形だ。少年の形をしていた。魔法人形はチェコぐらいしか見られない。
それぞれの国の魔法界には秘匿するような技術があるが、表には出したがらない。午後になり、空が曇ってきていた。

「雨が降るかな?」

少年が問うと少女は空を見上げた。目で、肌で、天気を感じる。

「……一時的に曇って夜は晴れる気がする」

「君の天気予報は当たるからね。雨が降らないみたいならいいや……セレナはいつ来るんだろうね」

「魔力はまだ足りてるでしょ。孫の顔でも見たくなったの? リドル」

「スネイプが寂しがっていそうだからさ。セレナは君の孫のような存在でもあるだろう。スピカ」

「あの二人は親子だものねー血のつながりはないけど」

スピカ・ヴァルキリアとトム・マールヴォロ・リドルは会話をしながら帰って行く。記憶として存在している二人は
かつてのように話をしながら、日々を過ごしていた。



ホグワーツ魔法魔術学園の魔法薬教授が使っている部屋を整頓しながら、セレナ・ヴァルキリアは予定を立て始める。
今日の夜に仕事を終えて、明日は一日暇ではあるので、暇を使ってポートキーを使ってチェコへ行こうとはしていた。
魔法薬教授の部屋は以前はスラグホーンが、其れより前にはスネイプが使っていた部屋だ。
陰気な雰囲気を消すように工夫はしていた。セレナとしては別に暗くても良かったのだが、友人の薦めで、
明るくしろと言うことになっていた。ランプをいくつか置いたり、壁紙を変えてみたりしている。

「母様」

呼ばれ、セレナが振り向くと部屋には十代前半の少女が入ってきていた。黒髪を背中までのストレートにしていて、
ルビー色の瞳をしている。彼女はオルティア・リリウム・ヴァルキリア、セレナの娘だ。
妹にはエルサが居た。年齢の割にはしっかりとしている。

「オルティア。どうしたの? 試合は?」

「これから行きます」

放課後にはクィディッチの試合が始まる。オルティアはシーカーとして試合に出るのだ。ハリー・ポッターの再来とも
言われているぐらいのシーカーとしての腕を持っている。オルティアの血筋を知る者からすればカタリナと似ているとされていた。
オルティアは丁寧な言葉を話す。

「ルティは母さんに応援して貰いたいんだろう」

「ジェームズ」

「スリザリンとの試合で緊張してるんだし」

部屋に入ってきたのはジェームズ・シリウス・ポッターだ。寮が違うとは言え、オルティアとはよく話す。
オルティアの妹であるエルサがグリフィンドールに入ってからは会話がまた増えたらしい。
今年のクィディッチのチームはレイブンクローとスリザリンが強く、グリフィンドールとハッフルパフがその後を追っている。

「ちゃんと応援に行くからね」

「はい……」

「それと、明日は休みだから少し出かけてくる。先生に逢いに行くから」

先生とセレナが言うとオルティアが表情を変えた。余り表情を表さないオルティアだが、嬉しそうに笑ったのだ。

「試合が終わったらお爺さまに手紙、書くので届けてくれませんか?」

「良いよ」

「では。行ってきます。母様」

オルティアはお辞儀をすると部屋を出ていく。ジェームズが後に続いた。会話が聞こえてくるが、先生とは誰か、とか、
先生は先生です、などと話していた。オルティアはスネイプのことを秘密にしていろと言う約束を守っている。
スネイプを尊敬していて魔法薬の勉強を特に頑張ったりしていた。
片付けながら、時間が進んでいくことを感じた。自分が教えているのは自分の娘やその友人の子供達だ。

(先生もこんな気持ちだったのかな……?)

チェコにいる自分の親代わりの人物の顔を思い浮かべて、苦笑いする。もっとスネイプは複雑な気持ちだっただろうが、
セレナとしては、今が幸せだ。
もうそろそろ、エルサの誕生日も近いのでプレゼントも用意したい。
魔法薬の棚にしっかりと鍵をかけてからセレナは部屋を出る。ドアも施錠しておいた。

「セレナ。行こうよ」

誘いをかけてきたのはマグル学を教えているディアナ・ラクシュミーだ。かつてはグリフィンドールの生徒であり
セレナの同級生でもあった。薬草学のネビル・ロングボトムと言い、ホグワーツを卒業したセレナの同級生が、
教員をやることが多くなっていた。

「今度、薬の材料をネビルのところにもらいに行かないと……」

「薬、効くって評判だよね」

「材料がいいからだよ」

ネビルが育ってた薬草をセレナが薬にする。作られた薬は保健室でも使われていて効き目は上々だ。
大事件を乗り越えて復旧をし続けていたホグワーツは今、平和になっていた。
セレナが当時、七年生の時のホグワーツは闇の陣営に支配されかかっていたがその時のことをセレナは話ぐらいにしか
聞いていない。イギリスの外にセレナは避難していたからだ。
イギリスを出てチェコに居た。チェコでいくつかの準備をしたり大規模な魔術を準備していた。

「平和だね。ずっと続くと良いなって」

「……続くよ……」

ディアナが呟き、セレナが返す。闇の帝王はもうこの世には居ないのだ。



次の日、店を休業にしてスネイプはセレナを待っていた。
フレイとアリエルは昨日の夜のうちに帰ってしまっていたし、依頼されていた薬も半分ほどは作り上げた。
店舗兼住居に住んでいるのはスネイプとスピカとリドルだが二人は朝からまた用事で出かけていた。
魔法街のコミュニティには世話になっているがその分、やるべきことはしなければならない。
玄関のドアがノックされ、スネイプは出迎えた。

「来たか」

「久しぶり。先生」

セレナはスネイプを見上げ、微笑する。トートバッグを肩に担いでいた。

「唐突に来たな。昨日の夜にいきなり連絡が来たから」

「思い立ったら……と言うか……これは、オルティアからの手紙」

鞄から封筒を取り出す。

「お前だけが来たのか」

「ネレイドとライラも一緒だけど、リドルとお祖母ちゃんとチェコ観光をしてから来るみたい」

ネレイドはネレイド・トンクス・ヴァルキリアでありセレナの夫だ。ライラはライラプス・チャリティー・ヴァルキリアで
セレナのかなり年の離れた妹である。ネレイドはセレナと同じ年で魔法省で働いていたし、
ライラプスはイギリスのクィディッチのチーム、ホリヘッド・ハーピーズに所属して選手をしていた。
チェコ観光になったのは気を使ったのことだろう。

「……気を使わなくても良いのだがな」

「ライラはセブ父さんに飯作る、ってはりきってた」

「あの性格に育ったのは謎だ」

玄関で立ち話をしているのもなんだったので、スネイプはセレナを家に上げる。
ライラプスを育てたのはスネイプだ。ヴォルデモートとの戦いが終わり、スネイプが死んだことになってしまったので、
一人で生きなければならなくなったセレナだがライラプスを育てられるほどの余裕はなく、知り合いの魔女やスネイプが
育てたのだが、酷く明るく、父親似の性格となった。色素も父親にそっくりである。
スネイプにとってライラプスやセレナの実父というのは憎むべき相手だが、今では少し憎しみは薄れていた。
時の流れである。
リビングには、大きめのテーブルセットがあった。セレナを座らせてスネイプがお茶を入れる。

「授業は上手くやってる」

「我輩が知っている者は居なくなっているようだが」

「マクゴナガル先生も引退しちゃったし、フレイさんも教鞭を取らなくても良くなってるし……ビンズ先生は替わってないよ」

「ビンズ先生は幽霊だろう」

ミネルバ・マクゴナガルはセレナが在籍していたときは変身術の先生であったし、ホグワーツの校長もしていた。
スネイプも陰謀によってホグワーツの校長はしていた。マクゴナガルはライラプスが卒業してから少しして校長を引退したと
聞いている。スネイプはセレナの前に紅茶を置いた。

「果実酒とかでも良かったのに」

「昼頃から飲むな」

微笑むセレナにスネイプが釘を刺す。
イギリスのことはフレイが常に情報を持って来たくれたり、セレナ達からの話で聞いていたが、時は流れるものだ。
セレナは酒を飲む方であるし、強い。
スネイプはセレナの前の席に座る。

「お土産あるんだよ。ネビルが作った果実酒」

「ロングボトムが薬草学の教授というのも驚いたな」

「功労者の一人とも言われているもの」

スネイプの中のネビルはうじうじとしていた少年で魔法薬の成績が悪かったと言うものだった。
しかし、スネイプが居ないときには調合は上手くいっていたのでスネイプが怖かっただけらしい。

「お前が魔法薬教授をすると言ったときも驚いたが……」

「跡は継ぎたかったの。先生の」

セレナが魔法薬教授をすると言ったのはチェコに慣れてきた頃のことだ。セレナの魔法薬の成績は非常に良かった。
死んだスネイプの跡を継ぎたいと想ったと言えば皆が賛成してくれていた。
子供を産んだりして休職することもあるが教師は続けている。

「……我輩はお前達に助けられたからな」

感慨深くにスネイプは言う。
ナギニに噛まれ、ハリーに自分の記憶を託して、自分は死ぬのだと想い暗い世界へと行った。
暗い世界を進んでいると世界が白くなりスネイプはずっと逢いたかったりリーと出会った。スネイプにとっての悔いであり、
傷つけてしまった好きな女性と再会出来た。
幻でもリリーはスネイプを抱きしめて、ありがとう、と言い、自分がしたことを赦してくれた。
スネイプの目からは涙がこぼれた。
その後でリリーは身体を離して言ったのだ。
”セブルスを待っている人が居る”と。
リリーがスネイプを突き飛ばすとスネイプの身体は白い世界から暗い世界へと行き、飛ばされるようにして──飛ばされるのが、
終わってから目が開いた。
最初に見たのは涙を流しているセレナであり、側に居たアリエルやリドルだった。
事情を後で聴いたが、カタリナが最期に残した予言がスネイプが死ぬというものであった。
死を回避しようとしたセレナであったが途中で考え方を変え、死ぬ直前に引き上げればいいと言うことになり、
計画を立てて、計画は成功した。
ハリー達が分霊箱を破壊したりしている間、スネイプは二重スパイを続けたりしている間、セレナは準備を進めていた。

『ベタな言葉で言うと奇跡じゃないかな。運とか……君は生きろってことなんだろう。死を受け入れることも正解だろうが、
別の答えを選択してはみたんだ……後押しした人とか居たんじゃないか?』

リドルが言っていた。ここまで戻ってこられたのはセレナ達の尽力もあったが、生きろと背中を押してくれた者が
居たからだろうと、これからは自分のための人生を生きろと言うことらしい。

「家族を助けたかったもの……シリウス父さんは無理だったけど、あの世で母さんと夫婦していそう」

「あの二人が夫婦になったのも未だに謎だ」

セレナ達はと言うと、このことについて事情を知る者はスネイプは死んだものと振る舞っている。
蛇のナギニに噛まれて殺されたのに生きていたと言うことになれば話がややこしいことになるからだ。未だにばれていない。
スネイプが未だに解けない謎に不思議そうにしている。

「奇跡って起きるものじゃなくて、起こすものだったみたい」

本当に、奇跡だとリドルもスピカもホグワーツ始まって以来の秀才とされていた二人は口を揃えて言っていた。

『愛は凄いわねリドル。家族愛とか親子愛とか……奇跡ね』

『……皮肉かな? 死んだ『僕』に対しての……でも、僕は賛成しよう。奇跡だ』

戦いが終わって十数年、家族も増えた。
家族というのは血のつながりだけではなかったとはスネイプは知った。スピカとリドルは記憶だし、自分は死んだことに
なっているが、ライラプスも、ネレイドも、エルサも、オルティアもスネイプの家族だ。

「イギリスやアイルランドのクィディッチの観戦が出来ないことを除けば……幸せだな」

「先生もクィディッチ好きだからね……」

セレナが紅茶を飲んでいると、ドアが閉まっているというのに中にまで響いてくる声がした。

「セブ父さん、姉貴、帰ってきたぞ」

「……聞こえているから叫ぶな……『危険な野郎ダイ記念メダル』を貰っただけの選手ではあるな」

クィディッチ選手の中で毎年シーズン終了後に当たるシーズン中に危険なプレイやはらはらする危険を冒した選手に当たる
メダルをライラプスは貰っていた。女で貰ったのはライラプスが久しぶりらしい。
スネイプが立ち上がる。

「父さん」

セレナがスネイプのローブの裾を引っ張った。引っ張られたことよりも父さん、と呼ばれたことにスネイプは戸惑う。
滅多に彼女はスネイプを父さんとは呼ばない。

「今度は、家族みんなで来るから、何処か旅行に行こうね」


【Fin】

うちのだと死人が少ないというか殆どみんなで頑張って救済したので死んでません(書けてないがルーピン夫妻とかも)この話だけだと意味が分からないだろうがいつかまた書くよ他の時間軸で

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